WORLD CLASS 2019
JAPAN FINAL
ジャパンファイナルレポート
Results
競技結果(敬称略)
総合優勝
- 吉田 宏樹
- 東京都
総合 第2位
- 宮﨑 理彦
- 栃木県
総合 第3位
- 永峯 侑弥
- 東京都
部門優勝
CHALLENGE 1
- Ketel One Challenge
- ケテル ワン チャレンジ
- 吉田 宏樹
- 東京都
CHALLENGE 2
- Tanqueray No. TEN Challenge
- タンカレー ナンバーテン チャレンジ
- 宮﨑 理彦
- 栃木県
CHALLENGE 3
- Johnnie Walker Challenge
- ジョニーウォーカー チャレンジ
- 吉田 宏樹
- 東京都
CHALLENGE 4
- Speed & Taste Challenge
- スピード&テイスト チャレンジ
- 宮﨑 理彦
- 栃木県
10人のトップバーテンダーが熱い戦いを繰り広げたジャパンファイナル
総合優勝は、吉田 宏樹 氏(ホテルニューオータニ Bar Capri / 東京都)
「DIAGEO WORLD CLASS」は、カクテルの味わいのみならず、バーテンダー自身のクリエイティビティ、ホスピタリティ、情熱を重視している、世界最大級※の“バーテンダーコンペティション”。今年のGLOBAL FINALの舞台はスコットランド・グラスゴー。その世界大会へのたった1枚の切符を賭けて、2月から始まった日本大会を勝ち抜いてきた10名のファイナリストが7月3日・4日の2日間、闘いを繰り広げた。※ ディアジオ社調べ会場となった銀座PLUSTOKYOでは、壁一面に富士山が描かれ、まさに日本一を決定するにふさわしいステージが用意された。今年で11回目を迎えたジャパンファイナルだが、年々バーテンダーの存在は広く認知されるようになり、その中で新しいムーブメントも生まれ、バー業界は一層盛り上がりを見せている。その影響もあってか、今年のファイナリストは、実力に定評のある選手と初参戦の選手の、新旧入り混じった豪華な顔ぶれとなった。
Ketel One Challengeケテル ワン チャレンジ
ジャパンファイナル最初の競技となったこのチャレンジでは、ケテル ワンの特長を活かしたカクテルを2種類、うち1杯はコーヒーを使ったカクテルを作成する。爽快な味わい、シルキーな口当たり、そして繊細で長い余韻が特長のケテル ワンをどうカクテルに活かしていくかがポイントとなる。世界中でブームとなっているコーヒーを使ったカクテルにこだわりを見せる選手が目立ち、中でもバリスタとバーテンダーの顔を持つ小川 智之 氏(愛知県/COFFEE&BAR BONTAIN)の作るカクテルは、ケテル ワンの滑らかさをうまく利用し、コーヒーの新たな可能性と多様性を高めた。1杯のみならず2杯ともコーヒーを使ったカクテルで仕上げてくるあたりは、バリスタとしてのプライドを感じさせる。そして、この競技で部門優勝を飾ったのは、それぞれのカクテルにアクアファバとコーヒーを使い、ケテルワンの特長を見事に引き出した、吉田 宏樹 氏(東京都 / ホテルニューオータニ Bar Capri)。また、最初の競技だけあって緊張からスローイングやサーブのミスも見受けられ、いかにジャパンファイナルの舞台が緊迫したものか、観客も体感する競技となった。
Tanqueray No. TEN Challengeタンカレー ナンバーテン チャレンジ
ファイナリストたちの緊張がほぐれてきたところで行われたのは初日2つ目の競技、ロングとショートカクテルを作成するタンカレーナンバーテン チャレンジ。フレッシュグレープフルーツ、フレッシュオレンジ、フレッシュライムを入れて蒸留するという、他のジンとは違う特長を持つこのスピリッツのシトラスハートからインスピレーションを得て作られたカクテルは、柑橘系や、ハーブなどのボタニカルな素材を使ってビターズやオレオサッカラムなど、オリジナル材料に力を入れる選手が多く見られた。自分のハーブ園で育てたバジルとスイートマジョラムを使った老川 和磨 氏(東京都 / Amalie)のカクテルは、「あまりも美味しすぎて、忘れられない」と、審査員に言わしめた。地元の名産品を材料に使いながら、ユーモアを交え常に落ち着いてプレゼンテーションをこなした、宮﨑 理彦 氏(栃木県 / The FLAIR BAR)が部門優勝を勝ち取った。
Johnnie Walker Challengeジョニーウォーカー チャレンジ
2日目を迎えると、自分らしさを見せることができる選手が目立つようになり、前日の競技でミスをした選手も気持ちの切り替えをし、新たな気持ちで戦いに挑んでいるようだった。ジョニーウォーカー チャレンジでは、ブラックラベル 12年を使った食中酒、ゴールドラベル リザーブを使った食後酒を作成。昨今のハイボールブームもあり、食中酒には炭酸を使って爽やかに仕上げたカクテル、食後酒にはスピリッツが表に出るような重みのあるカクテルが多かった。吉田 宏樹 氏(東京都 / ホテルニューオータニ Bar Capri)は、ジョニーウォーカーの故郷、イギリスのソウルフードを題材に2つのカクテルを考案。実際に食事は用意できないため、フィッシュ&チップスの写真を審査員に配り、会場のムードを和ませた。食中酒は、ピンク色の花ヒースが咲く夏のスコットランドの風景をグラスの中で表現したフルーティ&フローラルなハイボール。そして食後酒は、消化を促すたくさんのスパイスの効いた紅茶のホットカクテルで、リラックスタイムを演出し、チャレンジを制した。
Speed & Taste Challengeスピード&テイスト チャレンジ
4競技の中で毎年もっとも会場がヒートアップするのが、スピード&テイスト チャレンジ。今年は、6分で7種のカクテルを作成、さらにそのうちの最後の1種は、その場でカードを引いて作成するカクテルが決定するルールが採用された。どのカードを引くかによっても運命が左右されるため、緊張感と即興性が選手をさらに追い込む。応援する観客も共に戦う気持ちだろう。祈るような視線で戦いを見守っていた。最後までカクテルを完成できなかった選手が続出する一方で、吉田 宏樹 氏(東京都 / ホテルニューオータニ Bar Capri)の丁寧で完璧な仕事ぶりはとても印象的で、制限時間より20秒も早く仕上げるプレゼンテーションは圧巻。そして、スピード感の中にもユーモアとホスピタリティを見せた宮﨑 理彦 氏(栃木県 / The FLAIR BAR)が部門優勝を獲得、ある審査員は、「彼のアイデアやクリエイティビティは近年のワールドクラスの中で一番良かった」と最高の評価を下した。
ジャパンファイナルを盛り上げる「ポップアップバー」
会場を入るとひときわ目を引く15mを超えるロングバーには、ディアジオの4つのブランドのスピリッツが並ぶ。そこでは、来場客がディアジオブランドを体感できるよう、ワールドクラスのバーテンダーたちが、それぞれの特長を活かした海外で流行しているカクテルを作り、会場を多いに盛り上げた。