WORLD CLASS 2018
JAPAN FINAL
ジャパンファイナルレポート
Results
競技結果(敬称略)
総合優勝
- 新井 加菜
- 東京都
総合 第2位
- 永峯 侑弥
- 東京都
総合 第3位
- 宮﨑 理彦
- 栃木県
部門優勝
CHALLENGE 1
- Signature Cocktail Challenge
- シグネチャーカクテルチャレンジ
- 新井 加菜
- 東京都
CHALLENGE 2
- Tanqueray No. TEN
Long & Short Challenge - タンカレー ナンバーテン ロング&ショートチャレンジ
- 新井 加菜
- 東京都
CHALLENGE 3
- Ketel One Espresso Martini &
Johnnie Walker Penicillin Challenge - ケテル ワン エスプレッソマティーニ&
ジョニーウォーカー ペニシリン チャレンジ
- 宮﨑 理彦
- 栃木県
CHALLENGE 4
- Speed & Taste Challenge
- スピード&テイストチャレンジ
- 新井 加菜
- 東京都
10人のトップバーテンダーが熱い戦いを繰り広げたジャパンファイナル
総合優勝は、新井 加菜 氏(BAR AVANTI /東京都)
2009年から開催されている世界最大級※のバーテンダーコンペティション、「DIAGEO WORLD CLASS」。2018年で10回目の開催を迎え、5月24日と25日の2日間にわたり、10人のファイナリストが4つの競技を通して自身の技を競い合い、世界大会の地であるドイツ・ベルリンへの切符を争った。※ ディアジオ社調べ
Signature Cocktail Challengeシグネチャーカクテルチャレンジ
シグネチャーカクテルは、バーテンダー自身と、彼らが立つバーの特徴を表現する。バーテンダーにとって、特別な作品を創作するシグネチャーカクテルチャレンジでは、今回のファイナリストの中で唯一の女性バーテンダー、新井 加菜 氏 (BAR AVANTI / 東京都) が勝利を飾った。店名AVANTIの “前進” という意味が、ジョニーウォーカーの “Keep Walking” に通じる事から、ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ以外の選択肢はなかった。ジョニーウォーカーの紅茶のブレンディングをヒントに、アップルハーブティーを加え、さらに、リモンチェッロ、スプマンテなど、彼女が思い入れのあるイタリアの材料を合わせる。フルーティーなゴールドラベル リザーブのまろやかさを引き立て、女性ならではのカクテルに仕上げた。カクテル名 “Vivace(ヴィヴァーチェ)” は、イタリア語で “活発” を意味し、ひとりの元気で活発な若い女性客をイメージした一杯だ。
Tanqueray No. TEN Long & Short Challengeタンカレー ナンバーテン ロング&ショートチャレンジ
タンカレー ナンバーテンをベーススピリッツに使用し、ロングカクテルとショートカクテルを5分間で作成するチャレンジ。全く違うスタイルのカクテルで、タンカレー ナンバーテンの特長をどのように活かすかがポイントとなる。しかし、タンカレー ナンバーテンの柑橘系からくるフレッシュさと、ボタニカルの複雑さを活かしきれているカクテルが残念ながら少なかった。その中で、ミスがなく、安定したカクテルを創作した新井 加菜 氏 (BAR AVANTI / 東京都) が、ボタニカルとシンボルであるパイナップルをそれぞれのカクテルで表現し、部門優勝を果たした。ロングカクテル “Herbal Shower(ハーバル シャワー)” は、オリジナルのジンジャーレモンとカモミールシロップで爽やかな味わいに仕上げている。タンカレー ナンバーテンのボタニカルの表現をしている。一方、ショートカクテル “Breath of Life(ブレス オブ ライフ)” は、パイナップルをインフュージョンしたタンカレー ナンバーテンに、緑茶、フレッシュバジル、ジュニパーベリーを入れたオリジナルティーバッグを使用。名前の通り、生命感溢れたショートカクテルである。
Ketel One Espresso Martini & Johnnie Walker Penicillin Challengeケテル ワン エスプレッソマティーニ&ジョニーウォーカー ペニシリンチャレンジ
エスプレッソマティーニは、昨今のコーヒーブームの影響などもあり 世界中でブレイクしている。ペニシリンは、スモーキー、スイート、スパイシーな味わいがウイスキーファンを魅了し、再注目されている。ケテル ワンとジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブを使用し、カクテルツイストを作成する、このチャレンジを制したのは、2年ぶりにファイナリストとなった宮﨑 理彦 氏 (The FLAIR BAR / 栃木県)。「覚醒と催眠」をテーマに、脳を覚醒させるような刺激的な一杯と、まどろみへといざなうナイトキャップの対照的な一杯を作っていく。“Ketel Awaken One!(ケテル アウェイクン ワン)” は、エスプレッソに、1%ほどの抹茶をブレンド。ほのかなグリーンノートがケテル ワンの輪郭をさらに引き立てる。仕上げには、コーヒーに合う様々な香りをもったドン・フリオ アネホをグラスの内側にアトマイザーし、さらにクランベリーパウダーを振りかけることで、ローストで失われた果実味と酸味をクランベリーで補う。一方、“Golden Slumbers(ゴールデン スランバーズ)” は、催眠をテーマに、ペニシリン、すなわち薬を調合するようにカクテルを作成していく。ジョニーウォーカーを入れたホットマグに、2つの薬草酒、ドランブイと養命酒を上から注ぎ、角砂糖を溶かしながら入れていく。葛粉を薬包紙で加えるなど、彼のコンセプトに沿った演出や作り方、道具に至るまでの全てが観客を魅了した。
Speed & Taste Challengeスピード&テイストチャレンジ
毎年必ず行われ、ジャパンファイナルの中でも一番盛り上がりを見せるスピード&テイストチャレンジ。今回はグローバル大会のチャレンジ内容に沿って、6種類のクラシックカクテル ツイストを5分間で作成。スピードだけではなく、味とバランス、カクテルの難易度、プレゼンテーション力、技術も審査される。トップバーテンダーであれば、練習次第で難しくはないはずだが、大会の緊迫した雰囲気の中で、どれだけ自分のベストパフォーマンスができるかがポイントとなり、実技前のセットアップの3分間で、戦略とこれまでの努力が試される。運命を左右する、このチャレンジを勝ち抜いたのは、なんと本大会3つの部門優勝を獲得した、新井 加菜 氏 (BAR AVANTI / 東京都)。ギムレットに緑茶や塩昆布を合わせた “茶ムレット” や、ブラッディメアリーに牡蠣しょうゆや柚子みそを使った “和風メアリー” など、スタンダードカクテルと和の融合を見事に表現していた。 彼女の独特のプレゼンスタイルが観客と審査員を引き込み、勝利に対する執念が総合優勝へと導いた。